中性脂肪とは

肥満
健康について色々と調べていると、必ずといっていいほど”中性脂肪”というワードを目にします。
「脂肪」という言葉がつくことからなんとなくお腹周りについている脂肪をイメージしやすいですが、果たして中性脂肪の実態とは何なのでしょうか?

そして中性脂肪が原因で引き起こる主な病気とは?

ここでは、知っているようで実は知らない中性脂肪について紹介していきます。

中性脂肪とは

血液
健康の分野において中性脂肪はよく悪者扱いされがちですが、そもそも中性脂肪とは私たち人間の体にとって必要不可欠なエネルギー源です。
中性脂肪は血液中でタンパク質により分解されエネルギーとなり、不要な中性脂肪は肝臓の肝細胞や体内に点在する脂肪細胞に蓄えられていきます。

そして蓄えられて中性脂肪は体のエネルギー源であるブドウ糖が不足した際にエネルギーに変換され、緊急時の原動力となっているのです。

そのため中性脂肪そのものではなく、中性脂肪が過剰に蓄積された状態が様々な弊害を引き起こす元凶となっています。

・中性脂肪とトリグリセリド(TG)

中性脂肪と共によく目にするトリグリセリドというワードですが、健康診断を行ったことがある方は「TG」という表記を目にしたことはないでしょうか?

あれはトリグリセリドの数値を測るためのものであり、主に血液中の中性脂肪濃度を確認することが出来ます。
中性脂肪にはモノグリセリド、ジグリセリド、そしてトリグリセリドの3つに分類することが出来るのですが、血液中に含まれる中性脂肪の90%以上はトリグリセリドです。

正式名称を「Triacylglycerol(トリアシルグリセロール)」と言いますが、一般的にはトリグリセリド(Tlygriceride)と呼ばれTG意外にTAGと表記することもあります。

もしも健康について調べている中でトリグリセリドやTGやTAGなどの表記があれば、中性脂肪のことを指していると捉えて問題ありません。

中性脂肪が増加する原因

食べ過ぎ
食べ過ぎや飲みすぎ、運動不足により中性脂肪が増加するという認識は今や常識ですが。なぜこれらの行為により中性脂肪が増加するのかを解説します。

・食べ過ぎ

中性脂肪は食べ物から摂取する他、肝臓でも生成されておりその原材料となるのが”糖質”です。

糖質は私たちが普段口にするほとんどの食材に含まれており、特に炭水化物や糖度の高いフルーツなどに含まれています。
糖質を体内に取り込むと膵臓でインスリンと呼ばれる酵素が生成され、血液中に流れ込みます。

このインスリンは糖質をエネルギーに変換する働きがあるのですが、過剰に摂取された糖質をどんどん肝臓へと送り込みます。
そして肝臓にある脂肪細胞から分泌された脂肪酸が糖質と結びつくことで、中性脂肪に変換されて肝細胞やその他の脂肪細胞へと蓄積されるのです。

・飲み過ぎ

アルコールを摂取すると一度胃や小腸において吸収され、90%が肝臓へ送られます。
ここでアルコールを解毒するわけですが、この工程に問題があるのです。

肝臓へ送りこまれたアルコールは主にADH(アルコール脱水素酵素)とALDH2(アルデヒド脱水素酵素)と呼ばれる酵素により解毒されます。

最初にADHがアルコールを毒性の強いアセトアルデヒドという物質に分解。その後ALDH2が分解されたアセトアルデヒドを害のない酢酸に変換し、全身を巡った酢酸は炭酸ガスと水に分解され排出されます。

通常適量のアルコール摂取であれば上記の工程で中性脂肪が増加することはないのですが、飲み過ぎによりこの状態が続くとアセトアルデヒドが脂肪の分解を抑制してしまいます。

さらに同時に中性脂肪の原料ともなる脂肪酸の合成を高めるため、肝細胞に送りこまれた糖質と結びついて中性脂肪へと変換れてしまうのです。
もっと言えば、アルコールの中でもビールやワインと言った醸造酒は糖質が高いため、のみ過ぎにより効率よく中性脂肪を合成してしまうのです。

ウイスキーや焼酎など糖質がカットされた蒸留酒に関しても、おつまみとの飲み合わせや飲み過ぎに注意する必要があります。

・運動不足

”運動不足=エネルギーを燃焼出来ていない”この言葉を見るだけで運動不足がなぜ中性脂肪を増加させるのかは明白ですね。
単純に、運動不足によりエネルギーの支出バランスが取れていないのが原因です。

たとえ食事の量がごく平均的な方でも、運動をしなければ中性脂肪はどんどん蓄積されていきます。
さらに運動不足で基礎代謝が下がることにより中性脂肪が溜まりやすい体質に。

基礎代謝とはじっと何もしていなくても生命維持のために消費するエネルギーのことであり、これが低いと日常の中で効率的にエネルギー(中性脂肪)を消費できていないことになります。

上記2つの理由から運動不足は中性脂肪を体に蓄積させてしまうのです。

脂質異常症と動脈硬化

医者
脂質異常症と動脈硬化は中性脂肪が増加することで発症する主な病気であり、この2つについて解説します。

・脂質異常症

異質異常症とは読んで字のごとく、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が以上をきたしている病気です。
主にコレステロールや中性脂肪が異常に増加して状態を指しますが、LHDコレステロール(善玉コレステロール)が極端に少ない状態でも脂質異常症と診断されます。

脂質異常症には自覚症状が全くありませんが、血液中のコレステロールや中性脂肪が血管内壁にどんどん沈着し、動脈硬化を加速させる原因となります。

・動脈硬化

脂質異常症により血管内壁に沈着したコレステロールなどの脂質は、徐々に血管を硬く脆くしていきます。
そして伸縮性や柔軟性が失われると動脈硬化となるのです。

動脈硬化なると血管が破裂しやすかったり、血液の循環が悪くなることから栄養素が効率的に行き渡らなくなり、臓器の機能低下や様々な合併症を引き起こします。

私たちの体の中に常に存在する中性脂肪。その正体は本来生きていく上で欠かせないエネルギー源であり、体内の健康を維持するためのものでもあります。
しかし中性脂肪が過剰に蓄積されることで様々な弊害を起こしているのです。

皆さんも中性脂肪の増加を予防するのであればまずは中性脂肪自体が悪いのではなく、中性脂肪を蓄積しやすい体にしてしまう生活習慣がいけないということを念頭に入れておいてください。