女性は男性よりも脂質異常症になりにくい。その理由はエストロゲン

男女の差健康診断などで血液検査をする事でコレステロールや中性脂肪の数値を知る事が出来ます。

中性脂肪値が高いという状態はトリグリセライド値が基準値よりも高かった場合を指します。

そして、LDL(悪玉)コレステロール値が高くHDL(善玉)コレステロール値が低い場合、脂質異常症(高血脂症)と指摘されます。
ここ最近、「血液がドロドロの状態」や「血液サラサラ」という言葉を聞いたことがあると思いますが、脂質異常症と指摘された場合はいわゆるドロドロ血液という状態に当てはまります。

血液中に脂肪が多くなる事で高血圧や動脈硬化のリスクが高くなり、動脈硬化から血栓が出来やすくなり、その血栓が詰まることで起きる心筋梗塞、脳梗塞などに至り、処置が遅れると命に関わります。

脂質異常症はすぐに実感できる症状がないので指摘されても放置しがちですが、このように怖い病気になる恐れも出てくるのです。

脂質異常症に関しては性別によっての違いがあります。

男女の差厚生労働省が公開してる「2010年国民健康・栄養調査結果の概要」によりますと、脂質異常症に関して40歳台の男女では、40歳代の男性が13.7%、女性では1.9%となっています。

驚いたことになぜか男女では10倍以上の違いが出ています。
なぜ、男女ではこのような違いが出てきているのでしょうか?

男性は仕事柄、外食が多く、アルコールの量も多いからとも考えがちですが、実は女性の場合、分泌される女性ホルモンのおかげて男性よりリスクが低くなっているのです。

女性ホルモンが脂質の異常を抑えている

健康的な女性女性の体の中で分泌されている女性ホルモンはいくつかありますが、その中でも卵巣から分泌されているエストロゲンが脂質異常症になりにくいことと関係しています。

エストロゲンは肝臓でのLDLコレステロールの代謝量を増やす働きがあります。

その結果、血中のLDLコレステロールの数値が下がりやすい傾向にあり、脂質異常症になりにくいので、男性に比べて動脈硬化のリスクも少なくなります。

こんな時にも脂質異常症に?

お医者さん女性は妊娠をした時に中性脂肪やコレステロールの数値が高くなり、出産の不安も重なって心配をしてしまうお母さんもいらっしゃいます。

しかし妊娠を境にもし数値が上がっていくのは一時的な場合が多いので、出産をした後にほとんどの方は徐々に元の数値に戻っていくのであまり心配せず、様子を見ながら過ごしてみてください。

ですが、女性の場合、妊娠時の他に中性脂肪やコレステロールの数値が高くなる注意ポイントがあります。

50歳ぐらいになってくると、生理が徐々にこなくなって閉経する女性が増えてきます。
この閉経と共にエストロゲンの量が減っていきます。

エストロゲンが減る事でこれまで蓄積しやすかった皮下脂肪が減るようになって、内臓脂肪が増えやすくなります。

そのため、LDLコレステロールの値が高くなりやすい状況になります。
同時に中性脂肪値も上昇しやすいので、実際に60歳代になると、男性よりも脂質異常症になりやすいという傾向があります。

これが閉経後脂質異常症と呼ばれるもので女性の方が脂質異常症になりにくいとはいえ、一定年齢以降は注意しなければいけません。

閉経後は健康管理に注意を

50歳ぐらいになると女性は更年期障害の症状を実感するようになってきます。
この中性脂肪やコレステロール値が上がりやすくなるのも更年期障害の症状の一つになります。
さらに他に以下の症状が出てくるようになります。

  • のぼせやすくなる、汗の量がすごくなる
  • めまいがおきやすくなる
  • 頭痛、肩こり
  • 気分的にうつ傾向
  • 頻尿、尿漏れ
  • 肌のかゆみ、肌トラブル
  • 性欲の低下
  • 骨粗しょう症

などです。

すべての症状が出るわけではありませんが、これらの症状が出るのと同じタイミングで、動脈硬化や高血圧の可能性も出てくるため、普段から健康管理は気にするようにした方が良いでしょう。

若い女性も念のため注意を

ここまでお話している内容だと、「閉経後あたりで注意すれば良いみたいだから年齢的に問題なさそうね。」と安心している方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、ここ最近では、20代、30代ぐらいの若い年齢層の女性でもイライラしたりのぼせやすいといった更年期の症状が出ている例もあるようです。

いわゆる「プチ更年期」と呼ばれるもので、主にストレスが関係してきます。

ストレスが長く続くことにより自律神経のバランスが崩れてエストロゲンの分泌にも影響が出てきます。
よって更年期と同じような症状が出てしまうのです。

年齢的に若くても充分にエストロゲンが分泌されない場合は更年期の人と同様、中性脂肪やコレステロール値が高くなる可能性がありますので注意して下さい。

当てはまる場合は医師との相談を

更年期に当てはまる閉経後脂質異常症に関しては他の脂質異常症の患者さんと同じ治療法になります。

また、他の更年期障害の症状があった場合は他の投薬も平行しての治療になります。
その人それぞれで治療内容が変わってきますので、主治医とよく相談をして治療を進めていきます。

また、最近は特に問題が無いと感じていても検査をきっかけに脂質異常症の心配が出ているという方も出てくるようになりますので、閉経が近くなったあたりから健康診断と食事による対策を心がけておくようにしましょう。

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