脂質異常症(高脂血症)が引き起こす病気

健康診断最近、脂質異常症という疾患を耳にづる機会が増えてきます。
以前は高血脂症と呼ばれていました。

厚生労働省の2011年の患者調査の概況によると、脂質異常症の患者総数は188万6,000人にまで増えているとのことです。

既に脂質異常症と診断されているという方もいらっしゃると思いますが、気をつけなくてはと思いつつもあまり対策をとる事が出来ていないという方がとても多いようです。

この脂質異常症、どのような疾患で更にどのような疾患を引き起こす可能性があるのかについて、どのくらい知っていますか?

脂質異常症はどのような病気ですか?

健康診断健康診断や、メタボ検診を行った際にコレステロール値と中性脂肪値の数値をもとに基準値を超えていると脂質異常症と指摘されてしまいます。

コレステロール値 220mg/dl以上
中性脂肪値(トリグリセライド値)150mg/dl以上
といった数値が目安とされています。

コレステロール値の詳細がわかる場合は
LDL(悪玉)コレステロール値  140mg/dl以上
HDL(善玉)コレステロール値 40mg/dl未満
が目安となります。
この状態を放置していくと更なる病気を引き起こす可能性が高くなっていきます。

脂質異常症には複数の種類があります

体調不良原発性高脂血症
原発性の場合は主に家族からの遺伝性によるものです。
普段から脂質や糖質が多い食事などをしていなくても発症します。

二次性高脂血症
二次性の場合は病気や薬が原因で発症する高脂血症です。
糖尿病や肝臓病、腎臓病、甲状腺機能低下症などがそれにあたります。
他にも避妊薬やステロイドホルモン剤、利尿薬の服用が原因となり二次性高脂血症を引き起こす場合もあります。

  • 高LDLコレステロール血症
  • 低HDLコレステロール血症
  • 高トリグリセライド血症

これらは主に糖質、脂質が多い食生活を含め、生活習慣が引き金で起こる事が多いといわれています。

急性膵炎に注意

お医者さん動脈硬化以前の脂質異常症の段階であり、とてもリスクがある疾患です。
高トリグリセライドに当てはまる脂質異常症の患者さんは急性膵炎を起こしやすいので1,000~2,000mg/dlを越えるようであれば注意が必要です。

トリグリセライドが高いと膵臓からすい液が多く分泌される事になり、炎症を起こしてしまうことになります。

動脈硬化に注意

血液中に中性脂肪やコレステロールが多くなると発症しやすくなります。
簡単に書くと血管にこぶが出来るようになり、血流に問題が起きる症状です。

血管の壁自体が分厚くなってきたり、硬くなっていくためにしなやかな血管を維持できない状況になってしまい、この状況が続くとだんだんと血液をスムーズに流す事が困難になってしまいます。

さらに、この動脈硬化が引き金となり様々な重大な疾患が発生する可能性があります。

梗塞を起こしやすくなります

脂質異常症による動脈硬化がだんだんと進行していくと血管内に血栓が出来やすい状態になっています。

この血栓が動脈で詰まる事によって梗塞を起こすようになります。
梗塞関連の症状で多いのが

心筋梗塞
心臓の冠動脈に動脈硬化が起こり血栓が詰まる

脳梗塞
脳の血管の動脈硬化が進行して血栓が詰まる、あるいは、流れてきた血の塊が詰まる事で発症する

この2つの疾患です。
いずれも症状は深刻で、早めに医師による処置が必要になり、処置が遅れると重大な後遺症が残ったり死に至る、または急死する可能性もあります。

腎臓にも影響が出てきます

脂質異常症は腎臓にも負担をかけてきます。
アルブミン尿や血尿が見られたり、GFRの数値が一定期間低い場合は慢性腎臓病と診断されます。
さらにコレステロール値、中性脂肪値が高いと腎臓の機能が落ちてきてしまうのです。

放置する事で腎不全の発症にもつながり、腎不全の症状によっては人工透析が必要になってしまう事もあります。

閉塞性動脈硬化症の可能性も出てきます。

足の動脈に動脈硬化が出来るようになると足への血流が悪くなります。
そのため、痛みを感じるようになります。

痛みは進行していくと少しの距離を歩いただけで痛みを感じるようになり、長く歩けなくなる間欠性跛行の症状が出ます。
間欠性跛行は痛みを感じた時に少し足を休ませる事で再び歩く事が出来るといった特徴があります。

更に進行していくと何もしていない安静時でも痛みを感じるようになり、潰瘍が出来るようになってしまいます。
進行度合いにより症状が深刻な場合は足の切断をしなければいけない場合も出てきます。

早めの生活習慣の改善を

脂質異常症のみの状況では特に見た目の症状が出ないという特徴があります。
動脈硬化も起きていても実際の症状が自覚できないという問題点があります。

そのため、この段階でも改善を後回しにして特に何も対処などもせず、いつもどおりの生活を送っているという人も多いようです。

また、普段から特に健康診断などをしていない状況の方の場合、症状が無いままに体の中で進行していき、突然、心筋梗塞や脳梗塞で倒れてしまうという例もあります。

症状が進行してからでは遅いので、早めの脂質異常症の把握、そして食生活の改善を行う事で事前に対策する事も出来ますし、突然、倒れてしまうといったリスクも減らす事が出来ます。

脂質異常症の段階で知る事ができればまだ間に合います。
日常生活を見直してしっかりと対応していきましょう。