脂質異常症(高脂血症)とは?

ジャンクフード
日本国内では食の欧米化が進むにつれ、徐々に脂質異常症などの生活習慣病が深く根づいてきました。
厚生労働省の調査では2013年成人男性の総コレステロール値の平均は195.3mg/dl、女性は204.1mg/dl。そして2015年の平均は男性が196.6mg/dl、女性が207.2mg/dlと確実に上昇しています。

生活習慣の改善が叫ばれている中この上昇率は問題視されています。
血液中のLDL(悪玉)コレステロール値やトリグリセリド(中性脂肪)値が基準値よりも高いもしくは、HDL(善玉)コレステロール値が基準よりも低いと脂質異常症と診断されます。

そして脂質異常症にはいくつか種類があり、詳しくは知らないという方が多いかと思います。
そこで今回は脂質異常症の種類とそれぞれの解説をしていきます。

脂質異常症の種類


・高グリセリド血症(高中性脂肪血症)

中性脂肪にはモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドの3つに分類されますが、中性脂肪の90%が以上がトリグリセリドです。

そのため一般に「トリグリセリド=中性脂肪」と考えられています。
そして血液中のトリグリセリド濃度が基準を上回るとトリグリセリド血症と診断されます。

いわゆる「体内の中性脂肪が多い」という状態です。

本来中性脂肪とは人間が体を動かすために必要不可欠なエネルギーとなるのですが、体内や血液中の中性脂肪が増加すると動脈硬化や脂肪肝のなどの病気を発症します。

基準値:30~149mg/dl

・高LDL(悪玉)コレステロール血症

中性脂肪に並び血液中に多く含まれる脂質であるコレステロールは、細胞膜やホルモンなど生きていく上で欠かせない成分を作り出す原料となります。

コレステロールは単体では血液中に溶け込むことが出来ずLDLというリポタンパク質粒子になって血管内を巡ります。
しかしLDLコレステロールは血管内壁に沈着する性質があり、血液中のLDLコレステロール値が上昇すると動脈硬化や血栓が出来る原因となるのです。

そしてLDLコレステロール値が基準値より高い状態が高LDLコレステロール血症です。
これが「悪玉コレステロール」と呼ばれる所以です。

基準値:60mg/dl~119mg/dl

・低HDL(善玉)コレステロール血症

コレステロールを各細胞に送り届けるのがLDLならば、HDLは余分なコレステロールを回収する役割があります。
HDLコレステロールもリポタンパク質粒子の一種であり血管内で不要となったコレステロールを肝臓へ送り一部は十二指腸に排出され、一部は再利用されます。

これが「善玉コレステロール」と呼ばれている所以です。

HDLコレステロールの量が低下すると余分なコレステロールを回収しきれなくなり、血管内壁にどんどん沈着していきます。
これにより高LDLコレステロール同様に動脈硬化や血栓が出来る原因となります。

このHDLコレステロール値が基準値より低い状態を低HDLコレステロール血症と呼びます。

基準値:40mg/dl~119mg/dl

・その他

主な脂質異常症は上記の3つとなりますが、この他に遺伝的に発症する原発性脂質異常症と他の病気や薬の服用が原因となり発症する二次的脂質異常症があります。

脂質異常症の原因


・食生活による原因

冒頭でも述べたように食の欧米化が進んだことで、高糖質・高脂質な食事をする機会が激増しました。
まず糖質や脂質は肝臓において中性脂肪を合成するための原料となるので過剰摂取は血液中のトリグリセリド値を上昇させる直接的な原因となります。

さらに肉類やバターなどに含まれる動物性脂肪はLDLコレレステロール値を上げ、HDLコレステロール値を下げてしまうのです。
過食は脂質異常症を引き起こす最大の原因となっています。

・運動不足による原因

運動をしていないということは、体内の中性脂肪をエネルギーとして消費出来ていないということになりエネルギー支出のバランスが崩れます。

消費しきれない中性脂肪は血液中や脂肪細胞に蓄積され、肥満の原因ともなり食生活による原因へとつながります。
さらに運動不足によりLDLコレステロール値が上昇し、HDLコレステロール値が下降するという報告が出されています。

・アルコールによる原因

酒類にはポリフェノールが豊富に含まれているものが多く(特にワインやビール)、適量であればLDLコレステロールを下げHDLコレステロールを上げるまさに百薬の長です。

しかし過剰摂取することで中性脂肪の合成を促進させ、相対的にLDLコレステロールを上げHDLコレステロールを下げてしまうのです。

脂質異常症の治療


・食事療法と運動療法

脂質異常症では軽度であればまず食事制限と適度な運動が求められます。

食事制限といっても炭水化物などを一切摂らないなどの過酷なものではなく、食物繊維やタンパク質を豊富に摂り炭水化物を適度に控えるといったものです。

さらに運動に関しても毎朝ウォーキングをするなど特別なことをする必要はなく、例えば普段通勤で歩く時間を20分程度伸ばすよう調整するなどです。

どちらも重要なのはキツくない程度に継続して行うことです。
継続してこそ初めて効果を発揮するので、きまぐれに食事制限や運動をしても意味はありません。

・薬物療法

脂質異常症が中~高度になると薬物治療が検討されます。
主に血液中のグリセリド値やLDLコレステロール値を下げる作用のある薬剤を服用し、2~3ヵ月様子を見ます。

数値に変化がない場合は複数の薬剤を併用したり他の薬剤を処方し再び様子を見ます。
場合によっては強い副作用を発現させることがあるので、その場合は直ちに服用を止めます。

医師の指示のもと服用するのが基本であり、独断での服用は危険です。

まとめ

脂質異常症の種類は異なれど発症の原因が同じであるため、高い確率で症状が複合しています。
そして脂質異常症に高血圧症や高血糖症が複合するとメタボリックシンドロームとなり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを何倍にも高めるのです。

今回紹介した症状を発症しないためにも、日頃の生活習慣を改善することがとても重要だとわかりますね。
皆さんも食事や運動には十分注意してください。