血液中に中性脂肪が増えるとどんなことが起こる?

バランスの取れた食習慣日本人の生活習慣、食習慣などの傾向で増えてきている生活習慣病、主に脂質異常症、糖尿病、高血圧の患者数が増えてきています。

がんが原因で死亡する患者さんの数は多いのですが、生活習慣病というひとくくりで考えると、その内60%以上の人が亡くなっているともいわれています。

患者数でいうと、糖尿病だけでも平成26年度では316万人を超え、高血圧の患者さんも1010万人を超えています。
これらの生活習慣病で大きく関わってくるのが中性脂肪です。

中性脂肪は私たちの活動のエネルギー源となり、内蔵を守る役目もあるため本来少なすぎてもいけないのですが、多くの場合、中性脂肪が多くなりがちになる生活を送っています。
中性脂肪値が高くなりすぎると生活習慣病は大きく関わってくるようになります。

血液中に中性脂肪が増えてくると、血管の中でどのような事が起こっているのか知っておき、病気を進行させないように、あるいは予防のために注意する事も大切です。

中性脂肪はどのぐらいまでが良いのか?

メタボ普段、健康管理の一つとして健康診断で中性脂肪値を知る事が出来ます。

血液検査で中性脂肪は「トリグリセリド」という値になり、「TG」という表示で書かれている事もあります。

このトリグリセリド(TG)の数値はどのぐらいまでが良いのかというと、目安として覚えておきたい数値としては150mg/dlあたりとなります。

150mg/dlを超えるようになってくると軽度高中性脂肪血症といった範囲に当てはまります。
人により数値は違いがあるのですが、
300mg/dl以上では中等度高中性脂肪血症
750mg/dl以上では高度高中性脂肪血症
といった診断をされるようになります。

中性脂肪が増える事でHDLコレステロールに変化が

血液検査血液中に中性脂肪が増えてくるとHDLコレステロールが減る事がわかっています。
HDLコレステロールは、善玉コレステロールと呼ばれており、血液中のコレステロールを肝臓に運んでくれる役割もあるために、動脈硬化の予防にも役立っています。

このHDLコレステロールの数が減ってしまうと、コレステロールを肝臓に運ぶ役割もあまり出来なくなるために、コレステロールがうまく回収できなくなります。
そのため、LDLと呼ばれる悪玉コレステロールの数が増えてくる事になるのです。

つまりHDLコレステロールが減る事によって動脈硬化のリスクが更に上がる可能性が出てくるということです。

特に超善玉物質とも言われているアディポネクチンも一緒に少なくなってしまいます。
アディポネクチンは中性脂肪を減らすのに役立つ物質といわれており、アディポネクチン自体が減る事により、更に中性脂肪が増えるという悪循環となってしまいます。

悪玉コレステロールにも変化が起きます

isya003HDL(善玉)コレステロールが減る事によりLDL(悪玉)コレステロールが増えていきます。
そしてHDLコレステロールは酸化する事で血管の壁に入り込むようになり、動脈硬化を進行させていくことになります。

他にも中性脂肪が多くなる事で、増えてくるため、注意したいものがあります。

それは「小型LDL」です。

別名「超悪玉コレステロール」とも呼ばれています。
小型LDLは小型化したコレステロールのために血管の壁について血管に入り込みやすいのです。
そのため動脈硬化を促進させるコレステロールとして警戒する必要があります。

レムナントにも注意

中性脂肪が血液中に増える事で別のコレステロールも増えていきます。
それは「レムナント」です。

血液中にはリポたんぱくがというものがあります。
リポたんぱくは、中性脂肪やコレステロールとたんぱく質が結びついた物体です。
このリポたんぱくが分解された時に出来た残りの小さいかすがレムナントです。

小さいために血管の壁に入り込みやすく、小型LDLと同じように動脈硬化を進行させる原因となります。

レムナントは通常の健康な血液の状態で出来る事はまずありません。
ですが、中性脂肪が多くなる事でより多くたんぱく質と結びつき、分解して発生するという仕組みになりますので、中性脂肪が多い人はレムナントが発生しやすい環境になっています。

中性脂肪は増やし過ぎないように

このように中性脂肪が血液内に増える事で善玉コレステロールが減り、一気に悪玉コレステロールが増えやすい状況に変わるため、動脈硬化が進行しやすい状況になるという事は理解いただけたのではないでしょうか。

高血圧、糖尿病といった疾患にもなる確率が上がりますし、動脈硬化から血栓症になりやすいので、症状が出ないまま心筋梗塞、脳梗塞などの重大な疾患になり手遅れになる・・・そのような事だけは避けたいですよね。

改善または予防するためには中性脂肪が増える事が無いように食事や運動、生活習慣を見直す事が重要となります。

良い意味で考えると、薬を飲んだり、手術などをする前に自分の生活状況を変えるだけで重大な疾患のリスクを減らす事が出来るチャンスともいえます。

毎年、中性脂肪値とHDL、LDLコレステロールの値をしっかりと把握し、症状が出ていない今のうちに中性脂肪を増やし過ぎないようにしっかりと対策をしておくようにしましょう。

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