脂肪肝の種類は実は3つある。それぞれの原因

太り過ぎ
脂肪肝の定義は以下のようになっています。
「アルコールの過剰摂取や肥満などが原因により、肝臓内に必要以上の中性脂肪が蓄積されている状態。
通常は肝細胞全体の3~4%に留まっている中性脂肪が30%を超えると脂肪肝と断定される。

脂肪肝は慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんなど重篤な肝臓病を発症する原因となり、現代では生活習慣病の一つとされている。」

一口に脂肪肝とっても実は複数の種類があり、それぞれに異なった原因があり進行して発症する病気もまた変わってきます。

改善のための行動も異なるので「自分は脂肪肝かも!?」と思われている方がいるのならまずは自分がどのタイプの脂肪肝なのかを知る必要がありますね。

そして自分の体形に自身があるという方でこの記事を読んでいる方は少ないかもしれませんが、もしも読んでいるのであれば読み進めることをお勧めします。

なぜなら痩せ型の方も十分、脂肪肝になる可能性を秘めているからです。
今回は3種類ある脂肪肝のタイプをそれぞれ紹介していきます。

アルコール性脂肪肝

飲み過ぎ
アルコールの過剰摂取が体に悪いことは周知の事実であり、中性脂肪を増加させ脂肪肝を発症させるリスクを高めます。
飲酒によりアルコールを体内に摂り込むとまずは胃や小腸で吸収され90%が肝臓へと運ばれます。

肝臓ではADH(アルコール脱水素酵素)と呼ばれる酵素がアルコールと分解し、アセトアルデヒドという有害な物質を生成。
次にALDH(アルデヒド脱水素酵素)がアセトアルデヒドを無害な酢酸へと分解します。

こうして分解された酢酸は体内をゆっくりと巡り、水と二酸化炭素に分解され対外へと排出されていくのです。

そして問題なのはこのアセトアルデヒド。
アセトアルデヒドは肝臓内で中性脂肪の原料ともなる脂肪酸の生成を促し、さらには脂肪分解を抑制しています。

合成された中性脂肪はどんどんと肝細胞に蓄積していき、やがて脂肪肝を発症するに至ります。
さらにビールやワインなどの醸造酒と呼ばれる種類のお酒には中性脂肪の原料となる糖質が豊富に含まれています。

通常糖質はブドウ糖となりエネルギーとして消費されるのですが、余った糖質は肝臓へと送られ中性脂肪へと変わるので、飲酒はアルコールと糖質のダブルパンチで脂肪肝になる原因を作り出すのです。

・アルコールの適量

厚生労働省推進の「健康日本21」では1日の平均アルコール摂取量20g程度を適量としています。
ビールならば中瓶1本(500ml)程度、ワインならグラス2杯程度(200ml)、そしてウイスキーやブランデーなどアルコール度数の高いお酒はダブル1杯程度(60ml)です。

これくらいの量ならば適量とされ、飲酒によって脂肪肝になるリスクは低いと言われています。

ただ前述したようにビールやワインといった醸造酒には糖質が多く含まれているため、アルコールが適量だからといって毎日飲酒していると脂肪肝になるリスクは高まります。(高血糖症のリスクも増)

そのためお酒はウイスキーやブランデー、焼酎など糖質がカットされたお酒を中心に適量に抑えるといいでしょう。
ちなみに1日5合以上の日本酒(ビール中瓶5本程度)を毎日飲み続けるとほぼ脂肪肝になると言われています。

・アルコール性脂肪肝による合併症

アルコール性脂肪肝を発症しそれでも過度な飲酒を続けていると、アルコール性脂肪肝炎へと発展します。
これは肝細胞が常に炎症を起こしている状態であり、肝細胞の壊死や線維化(結合組織が異常増殖)を繰り返し、やがて肝硬変や肝臓がんへ発展します。

またアルコール性肝線維症と呼ばれる病気も同様に肝硬変や肝臓がんへ発展するリスクが高まるので注意が必要です。

非アルコール性脂肪肝

非アルコール性脂肪性疾患(NAFLD)とも呼ばれアルコール、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスとは異なった脂肪肝のことを指します。
そして非アルコール性脂肪肝はさらに”過栄養性脂肪肝”と”低栄養性脂肪肝”の2つに分類されます。

・過栄養性脂肪肝

食べ過ぎ
過栄養、つまり食べ過ぎにより栄養を過剰摂取することで発症する脂肪肝です。
いわゆる肥満型の脂肪肝なのですが、主な原因は糖質と脂質の過剰摂取となります。

糖質や脂質は人間の体の中でエネルギーとなる大事な栄養素ではあるのですが、中性脂肪の原料ともなっています。
そして体内でエネルギーとして消費しきれなかった糖質と脂質は肝臓に送り込まれ、中性脂肪に変換されます。

こうして中性脂肪はどんどんと肝細胞に蓄積され、脂肪肝を発症してしまうのです。
糖質と脂質を多く摂取したとしても運動により消費出来ていればいいのですが、多くの場合が運動不足と重なり脂肪肝の原因となっています。

・低栄養性脂肪肝(ダイエット脂肪肝)

冒頭で「痩せ型の方も注意!」と言いましたが、痩せ型の方が発症するリスクのある脂肪肝がこの低栄養性脂肪肝です。
野菜しか食べない、フルーツしか食べないなど極度な食事制限をしていると発症するリスクが高まります。

肝細胞にある中性脂肪をエネルギーとして消費するには、中性脂肪を血液中へと運んでくれるタンパク質が必要不可欠です。
しかし食事制限によりタンパク質が不足すると中性脂肪をエネルギーとして消費することが出来ず、そのまま肝細胞へと蓄積され続けます。

そしてフルーツなど糖質の多いものばかりを食べているとどんどん中性脂肪が溜まっていくのです。
もう一つ、糖質の不足も脂肪肝を招きます。

糖質は貴重なエネルギー源であり不足すると体は体内からエネルギーを作り出そうとして、タンパク質をエネルギーへと変えてしまいます。

結果タンパク質が不足し中性脂肪がどんどん蓄えられ、脂肪肝の原因となるのです。

・非アルコール性脂肪肝による合併症

代表的なのは非アルコール脂肪性肝炎(NASH)です。

非アルコール脂肪性肝炎は従来進行しない良性の病気と思われてきましたが、近年非アルコール脂肪性肝炎による肝硬変や肝臓がん発症の報告が多く、アルコール脂肪性肝炎同様に危険視されています。

まとめ

医者
アルコール性脂肪肝、そして非アルコール性脂肪肝である過栄養性脂肪肝と低栄養性脂肪肝。
これらも3つの脂肪肝は現代を生きる日本人ならば誰にでも発症する可能性があり、普段から生活習慣に気を配らなくてはなりません。

また脂肪肝を発症してしまった方は、食事改善と適度な運動、2つのアプローチで中性脂肪を減らしていきましょう。